11月23日、三田で関西トップボクサー大挙出場



先日、小耳に挟んだところによると、関西のジムの中には、一致団結、協力体制をもってこの危機にあたり、ボクシング界を盛り上げていかないと、という認識が広まりつつある、のだそうです。

コロナ渦からの自粛明け、本当なら関西初の有観客興行になるはずだった、7月神戸の興行や、8月枚方の興行は、同じYouTubeチャンネル “BOXING REAL” で配信されました。
以前から合同興行などを行っていた真正ジムグリーンツダジムが配信で協力したわけですが、それに次いで、その流れにある話だなあ、と見えたのが、先日発表された、11月23日、三田市立総合文化センター「郷の音ホール」での興行です。


丸元大成ジム主催の興行でお馴染みの三田の会場ですが、加納陸vs平井亮輝という、関西の上位ランカー対決が組まれるのみならず、石田匠vs石井渡士也、そして高山勝成vs小西伶弥と、本来ならそれぞれ、単独興行のメインカードになっていそうな試合が、三つ並びます。
所属ジムを並べると、丸元大成、千里馬神戸、井岡、REBOOT.IBA、寝屋川石田、サンライズとなりますね。


一番驚いたのは高山勝成の再起戦が、森青葉から小西伶弥に変わったことです。
フェリックス・アルバラードやカルロス・カニサレス相手に判定まで闘った元コンテンダーと、いきなり闘うことになるとは...ただでさえ厳しいはずの再起路線が、ますます、という印象です。しかも6回戦というのがどう出るものか。

石田匠の相手も驚きといえばそうです。僅か3戦のキャリアながら、石井渡士也の鮮烈な試合ぶりは、すでにして、多くのファンの耳目を集めるものです。
キャリアで言えば、ちょうど30戦と3戦。相当な差がありますが、バンタム級での試合、国内限定で相手を選ぶと、こういう発想も生まれるのか、と。

加納陸と平井亮輝も「関西同士、やればいいのに」と傍目に思うカードが、普通に実現した、という意味で喜ばしいものがありますね。



もちろん、この中に(ユースを除けば)現役のチャンピオンがいるでなし、「上」を目指す者同士が、己の未来を賭けて闘う、当然のことが行われるに過ぎないんですが、これまでの常識...「安穏」と言い換えてもいいような状況と比べれば、こうも矢継ぎ早に、各ジムがメイン級の選手同士を闘わせる、ということがいざ実際に起こると、改めて、少々驚きがあります。
コロナ渦という災いが転じて...と、簡単には言えない中小ジムの様々な苦境は、いやでもあれこれ目に触れ、耳に入って来ますが、それでもなお、これは「良い流れ」だと、ファンの勝手ですが、思ってしまいます。

そしてこの興行も、上記のチャンネルとはまた別のところになるようですが(TV大阪制作の映像になる?)YouTubeで配信されるとのことです。
これまでなら単に地元中心の、良くも悪くも地域に密着し、しかしそれ以外のどこにも全く波及しないイベントで終わるところが、その枠を超えて「流れる」水路が出来た。

もちろん、今後の展開や、試合内容にもよるところですが、最低限、その可能性は生まれた、と言って良いでしょう。
当日、観戦に行けるかどうがはまだわかりませんが、これもまた、内容や結果のみならず、様々に「成功」だった、といえる興行になってもらいたいものです。
厳しいカードに選手を出して、結果に恵まれなかったとしても、それでもなお、それに見合う注目、称賛が得られたと、各ジムや選手が思えるようなものになってくれたら、と。


そして、関西依怙贔屓で売る私ではありますが、この興行に勇躍参戦する関東勢の石井渡士也の健闘にも期待します。
どうか、フェアなレフェリングやジャッジでもって、これならまた関西に遠征してもいいな、と彼や陣営に思わせるような試合運営であってほしい、という願いと共に。



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ということで、一曲。
花田裕之 “MY LIFE” です。