強敵を二度ずつ破る律儀と偉大 ウシク、デュボアを返り討ち

 

 

そんなことでえらい一日が終わり...いや、まだABEMAの配信が残ってますが、とりあえず順番に感想書いていかんと終わらないので。
DAZNの深夜配信から感想です。簡単に。


ウェンブレースタジアム、また9万人とか、入ったのでしょうか。
何しろ大盛況の場内、異様な盛り上がりの中、夜空を花火が彩り、両者入場。試合前からお腹いっぱい、という。

初回、その雰囲気に呑まれるのでなく、波に乗るようなオレクサンドル・ウシク
リズムを刻んで、身体が良く動く。手数、足数、動き数...何しろヘビー級の身体がこれほどに、と驚くほどの、動きの量。
かつてクルーザー級時代に「200ポンドのロマチェンコ」と評されたものですが、今回は過去最重量の227ポンドでしたか、さらに重さが増しているにもかかわらず。
ダニエル・デュボアも右ダイレクトリード、ワンツーから右と鋭い手を出すが、ウシクのリターン、左をヒットされる。

2回、早々にひと山。デュボアが左から右、ワンツーを打ってやや前にのめった。ウシク逃さず左クロスをヒット。
デュボアの右グローブがガードに戻る前に打った。デュボア、ダメージあり。

3回、ウシクの左カウンターが来るが、デュボア踏ん張って攻める。
しかしダメージの影響もあってか、ウシクに外される場面が増えていく。
4回、デュボアの右ボディアッパーが出る。前回論議を呼んだパンチと同じような。スローで見ると低いのもあった。
このパンチを正当に決められれば、ウシクの数少ない弱点、ボディからの攻略に繋がりそうだが、後続が出ない。

5回、場内からウシクへのコール。これに乗って?左ストレートをガードの真ん中へヒット。
デュボア効いたせいか、無理に打ち返そうとして前に。ここにウシクが右フックカウンター、アゴへ。続いて左から右を頭部へ連打。
デュボア、はじけ飛んで膝をつくダウン。立ったデュボアに、ウシクが左から右フック返し...はミスだったようですが、これで終わらず、さらに左フックも返す。
これは決まって、デュボア二度目のダウン。立とうとするが、カウント進み、立ちかけたところでカウントアウトとなりました。


前回の因縁も綺麗に決着し...というに収まらない、オレクサンドル・ウシクの偉大な業績に、またひとつ「返り討ち」が追加されました。
何しろこの人、タイソン・フューリー、アンソニー・ジョシュアに続いて、このダニエル・デュボアとも二度闘い、全部勝っているのです。
比肩しうるとしたらモハメド・アリくらいでしょうが、アリはジョー・フレイジャーケン・ノートンと三度ずつ闘いましたが、それはいずれも初戦が黒星でした。
ソニー・リストンとは再戦しましたが、リストン2世と言われたジョージ・フォアマンとの再戦は、ついに実現せず終わりました。

それを思えば、これほど律儀で、かつ偉大なチャンピオンは、空前絶後と言って良いのでは、と思います。
まして、強敵との対戦を忌避し、都合の良い時期になってやっと踏み切るとか、ベストウェイト外すとか、しまいにはドーピングの効能をもって...みたいな手合いとは、比べるのも失礼、というレベルです。

いつもDAZNのPPVカードについては、なんやかや文句ばかり言っていますが、オレクサンドル・ウシクの試合については、その価値充分、納得です。
そして、彼が主要メディアのP4Pランキングにて、井上尚弥の上に立つであろうことについても、同じくです。
井上に関しては、軽量級ゾーンにあって、このウシク、そしてテレンス・クロフォードと並び称されているだけで、充分に偉大なのだと思うべき、ですね。


この試合は、デュボアがIBF王者になっていて、4大王座再統一戦、という試合だったようですが、実際のところは、王者と最強挑戦者の一戦だった、と見ればよく、堂々たる「王座防衛」でもあった、と言えましょう。
配信ラッシュの日曜日、一番最初に、真の王者による見事な勝利を見ることが出来ました。素晴らしかったです。

 

アンダーカードですが、とてもじゃないが全部を見ることは出来ず、セミセミセミは寝てしまいました。
二試合目の4回戦に、ナジーム・ハメドの息子、アダム・ハメドが出ました。デビュー戦以来、でしたかね、見るのは。
相手はエゼキエル・グレゴレスというアルゼンチーナで、3勝24敗とかいう、ドえらい戦績。
体重はスーパーライト。デビュー戦の時より身体が出来ていて、しっかりした動きでワンツーを打っていました。
判定勝ちで、別段、優れた才能ということでもないと見えますが、まだこれから、経験を積んでいく必要があるでしょう。
何しろアマチュア歴一切なしでプロ6戦目、今回の勝利で6勝3KO無敗、という戦績。それを思えば全然悪くない、というところです。


先日少し触れた、ウクライナから来たヘビー級ホープ、ウラディスラフ・シレンコはサロモン・ダクレスに判定負けでした。
戦績は良いのですが、正直、特別に強い選手ではなかったですね。ちょっと残念でした。