突然、明白に答えが出た JBCはやはりボクシングを護れない




晦日の試合から丸4ヶ月が経とうという今日になって、ドえらいお話が飛び出しました...といっても、100%の驚きをもって、というわけでもありません。
昨今、様々に荒廃の一途を辿り(またそれが昔日よりも詳らかになる機会が多いだけに過ぎない、とも捉えるべきでしょうが)、あれやこれやと碌でもない話が目につき耳につき、という世界のボクシングを見ていて、日本のボクシング界とて、大なり小なり、そういう話と全く無縁なわけもなかろう、と、心の片隅では思っていたりもするわけです。

従って、スーパーフライ級に転じて、海外のトレーニングで肉体改造に重点を置く練習の模様が時折報じられ、映像でも目にする機会があった井岡一翔が、複数の媒体で大麻だ違法薬物だ、ドーピングだという疑惑を報じられ、それを見て驚きもした反面、ああ、そういう悪い面も含めての取り組みでもあった、ということか...とも、同時に思ったのでした。


かつては協栄ジム、先代の金平会長の「オレンジ事件」に代表されるように、対戦相手のコンディションをいかに崩すか、というやり口が蔓延っていた時代を経て、一連のカメダ神輿時代にように、判定や裁定やマッチメイクで優位性を確保する、という方向に進み、そして今は、自身の戦力を向上させるために、違法薬物を摂取する。
世界からは周回遅れなのかもしれませんが(金平会長は、海老原博幸タイ遠征の際に、敵地で酷い目に遭った経験があるそうです)、日本も程度の差こそあれ、そうした悪徳に手を染める者が、皆無なわけもありません。
実際、実例というか、抜き打ち検査で引っかかって、タイトル獲得歴を抹消された選手もいるわけですし。


しかし、そういう現実を完全に封じ込めるにも限界があるとはいえ、コミッションが検査をし、その結果、問題があったのなら、然るべき手順でその先へ進むべき、と単純に思うのですが、こちらの記事によると、どうもおかしな方向に話が進んだ、とのことです。
東京ドームの経営体制が変わる時期であったことが影響しての隠蔽が企図され、検体採取から時間が経っている、という以前に、そもそも警察がその採取に立ち合ってもいない以上、法的には隠蔽?が成功してしまっている、と素人目には見えます。

そして今日の「報道」が、それに反撥する?(純粋な動機かどうか、測りかねますが)JBC内部の人員によるリークによって発生したのだろう、とは、容易に想像がつきます。
それによってJBCは、外部有識者によって構成される「倫理委員会」を設置する、と発表するに至った、という流れです。


一時、何かにつけて「第三者委員会を...」という事例が頻発し、それこそ漫才や落語のネタにもなった時期がありましたが、ようもまあこないにええ加減な、と、乾いた笑いが漏れるような話です。
もし今日の「報道」がなかったら、こんなものを設置することなどなく、そのまんまでほっぽらかしだったんでしょうからね。
真面目に言って、いい笑い者です。
世間はまたもや、ボクシングというものを一段低く見てくださるようになることでしょう。


かつて、JBCについて「ボクシングを護れるのか」と、期待と疑念をもってあれこれ書いたことがありましたが、少なくとも人員の大半が、そのような期待に応えてはくれない者で構成されている、と見るしかないようです。
逆に言えば、今回名の上がった上層部や、先頃協会の人間を処分して引っ込めた一件に関わった人員など、傍目には「碌でもない」と見える人々が排除されれば...とも言えるのかもしれませんが。

とはいえ、今回、著名選手の尿検体から、一度は違法薬物が検出された、という事態にあって、コミッションが正常に機能せず、このような事態を招いた結果は、ただただ重大だと言うしかありません。
現状、JBCは、ボクシングというスポーツを護れる組織ではない。
今日、突然にその事実が、わかりやすく明白になりました。



それにしても...勝者と敗者を一度の闘いで明白に分かつ、その酷薄無情の宿命あらばこそ、過酷な闘いの末、時に涼やかな風が吹く、ボクシングというスポーツの周辺に、こんな、すでに行き詰まり、明白に証されることもなさそうな話が存在すること自体が、腹立たしいやら悲しいやら、です。
世にはそのような話がいくらでも転がっていて、でも人は、その現実をひとときなりとも忘れさせてくれる何ごとかを求めて、ボクシングを見るのでしょうに...こういうの、本当に勘弁してもらいたい、ですね。