2回、左アッパー被弾で暗転 栗原慶太陥落、富施郁哉奪冠なる

 

 

そういうことで昨日のバンタム級サバイバル、日本チャンピオンの栗原慶太が、元チャンピオンの富施郁哉に判定負けで王座陥落。
富施が三度目の日本王座獲得を果たし、バンタム級戦線の主要キャストに名乗りを上げることとなりました。


判定は5日以後のOPSSで、5対0がふたり、4対1がひとり、いずれも富施のリード。
初回は富施が左ヒットで取って、2回は栗原が左のレバーパンチで盛り返す。
ところが、好事魔多し。栗原右をミスし、身体が前に出たところに富施の左アッパーがクリーンヒット。
ダウンせず凌いだ栗原ですがダメージあり。
3回には出血、4回またワンツー食って足が止まるなど、連続失点で折り返しへ。

 

途中採点が上記の通りに出て、6回から栗原、さらに圧かける。
左右を振り回しておいて、インサイドに右ショートストレート。
7回、富施のヘッドスリップで外されても構わず前進、相打ちだろうが、お迎えありだろうが関係なく強打を狙う。
8回、栗原の右ヒット、富施後退。

 

打たれてもいるが強引に攻めきる、と腹を括った栗原の猛攻は、まさに修羅の如し。
6から8は栗原が抑えた?しかし9回、栗原の攻めに対し、富施が要所で右ジャブ連発。栗原が作った攻勢の展開に「ひび」が入る。
10回も栗原出るが、ラスト含め富施の右ジャブが目を引く。

 


判定は、後半栗原の巻き返しも及ばず、6対4で三者揃い、3-0で富施の勝利。
9、10のジャブがなくば、どうなっていたかわからない僅差でした。
それはつまり、栗原の追い上げ、その凄まじさが反映された採点だった、ということでしょう。

 

ですので、やはり2回、富施の左アッパー、あの一発は本当に大きいものでした。
以前みたいに安易に打たれず、外しながら攻める流れに乗りつつあった栗原ですが、それでも全部完璧にとはいかず。
その前の左ショートの被弾を取り返そうと?少し前のめりになった一瞬を捉えられてしまいました。

 

そして、それを逃さず捉えた富施は、その後の、栗原の猛反撃に遭いながらも、何とか凌いで、ラスト二つの立て直しに成功しました。
悲願の返り咲きを果たし、来年以降、活況の日本バンタム級シーンにおいて、台頭著しい若い世代との対決が待っていることでしょう。

 


数度の王座獲得歴を持つベテラン同士、死力を尽くした、という趣の、濃密な10ラウンズでした。
明暗分かれた両者ですが、傍目の勝手ながら、「暗」の重さ、辛さを感じるよりも、両者ともに素晴らしかった、と称えたい気持ちの方がまさる。そんな試合でした。

 


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セミファイナルの武藤涼太は、体重超過のヴァン・ハイ・グエンを上下のコンビネーション攻撃で終始圧倒、5回TKO勝ち。
右リードで突き放し、左右ボディを打ち込み、左右と上に返す。グエンをほぼ、ロープに貼り付けにするワンサイドマッチでした。

グエン、前日の計量失格は、本当に落とそうとしたものか、しんどくなる前に文字通り「降りた」のか、よくわかりませんでしたが、実際構えると、小柄ながら肩や胸板は厚みがあり、これはどうかな、と思ったのですが、試合では武藤がほとんど一方的に打ちまくりました。


名古屋の名門、松田ジムのホープですが、MTジムとも関わりが深いとか。
プロポーションは、中谷潤人のフェザー級版、にちらほら見えたりも。よく見ると、身長の割にリーチは短めですが。
実際に「中谷2世」とでも言えるような選手になったら、それは即、武藤の大成を意味するでしょうが、昨日の試合を見ると、いずれ将来、そうなる可能性ありではないか、と思ったりしました。
まだ歳若い選手だし、徐々に相手のレベルを上げていって、強くなってほしいものです。

 

 

帝拳からアマチュアのホープふたりがプロデビュー。
高校3冠(ライト、ライトウェルター級)の古城佑馬、プロではフェザー級でデビュー。
179センチと長身のサウスポーで、ケネス・スペロ(3勝2KO無敗)を2回にTKO。

右リードジャブが強く、数が出て、ボディ攻撃から左右のコンビもよく決まって、2回にストップ勝ち。
合間に小柄なスペロが返す左フックをヒットされていたが、これは相手が打てる、当てる力のある選手だったということか。
B級デビューとはこういうことなんだろう、という印象でもありました。
正確なパンチを、攻撃的なスタイルで数多く繰り出して勝ちました。

 

しかし、相手との距離の差、そして体格差があったのも確か。
ステロは過去3戦をいずれも122ポンド+α、という体重で闘っていますし。
いずれ試合数を重ね、相手との距離、フレームが合う相手と当たる時が勝負です。
しかしその闘いぶりは、可能性を感じ、好感を持てるものでした。今後に期待です。

 

 

中山三兄弟の長男、23年全日本王者の中山颯太は、56キロ契約6回戦。
サウスポーのウェンデル・ババソルに対し、遠目からでもジャブ、右ストレート、アッパー伸ばし、左ボディも。全部当たる。
けっこうリーチがあるとはいえ、サウスポーどうこう一切関係ない。その精度はさすがとしか。
2回にボディから上へと打ちまくり、ババソルが手を返せなくなると、早めのストップ。圧勝でした。
無理なことはせず、落ち着いて、正確な攻撃を断続的に繰り返す。デビュー戦からもう大人。そんな印象でありました。


デビュー戦での馬鹿試合(失礼)で注目を集めた?B級デビュー三戦目の浅井陸は、ジェルソン・アリゴラを3回、タイミング抜群の右ショートクロスで「斬って」TKO勝ち。
こちらも徐々に落ち着きが出てきて、ここから本格的なホープとして名乗りを上げてくるか。

 

高優一郎はタフでラフ、変則と、厄介なクラウデバン・セセを6回TKO。
9勝(無敗)でKOはふたつめ。倒したくて少し無理をする?場面もありましたが、最後は相手コーナーが棄権しました。

 


第一試合の4回戦は、葛西裕一主催のGLOVESジム、梶哩惟河が、FUNABASHI E-BOXジムの多田太郎を3回、ダウン応酬の末、逆転TKO。
両者果敢に狙い合って、防御の不備も抱えつつ打ち合いました。葛西会長、所属のプロ選手初出場とのことでしたが、この初勝利は嬉しいでしょうね。