そんなことでDAZNのライブ配信もうひとつ、ジェシー・ロドリゲスvsプメレレ・カフの一戦。
これは時間被りとなったベガスの試合と違い、世界チャンピオンかくあれかし、という試合内容を存分に見られました。
初回からWBC王者ロドリゲスが、ガード上げて構え、アグレッシブに出る。
滑らか、かつ鋭いコンビネーションが淀みなく繰り出され、しかし相手と絡んだりもつれたりしない、最小限の間合いをキープしてもいる。
見ていて、世界一流のボクシングとは目にも涼しい、こうでなくてはなあ、と改めて感心し、敬意が湧き上がってくる。
それはロドリゲスのみならず、対するIBF王者プメレレ・カフの姿にも、同様に。
基本、ロープ際に追われる形でしたが、ガードを固めてカウンター狙い。
引かされてはいたが、同時に果敢な狙いをしっかり持っている。ガードもかなり堅く、頑張ってブロックしては返してくる。
中盤は、カウンターを端緒に連打の応酬で、打ち負けないところを見せていました。
しかし9回、ロドリゲスのコンビネーションがカフのガードをすり抜けて、立て続けにヒット。さらに追撃が入り、カフ苦しい。
10回、カフの抵抗虚しく、上体を上げようとしたタイミングだったか、ロドリゲスの右フックヒット。
カフ、ダメージ受けて身体がよれ、ロドリゲスが追撃。レフェリー、一瞬止めようとしたが躊躇。
ロドリゲスがさらに詰め、カフはこの試合、ほとんどなかったクリンチに出たがかなわず、スリップ。もう身体に力が入っていない。
これはもう、程なく終わりだ、と思ったところに、南アコーナーがタオル振って棄権の意志表示。良い判断でした。
ロドリゲス、膝をついて歓喜のポーズ。激しい試合が終わりました。
無敗の王者対決でしたが、実際は最強の王者と、有力挑戦者がそれぞれの立ち位置で、懸命に力を出し合った熱戦でした。
日本で田中恒成を破ったカフは、その前のいくつかの試合では、攻められたら慌てて防御を崩し、他愛もない打たれ方をしているような選手でしたが、田中戦に続き、今回の試合ぶりも、その頃からすると別人。
攻め立てられる苦境にあって、懸命の防御とカウンター狙いで、ロドリゲスに楽をさせず。
劣勢に見える位置関係で闘い続けましたが、その攻防は、内容的にしっかり渡り合っていた、と言って良いでしょう。
そして、簡単ではない相手に、技巧のみならず、緩むことのない圧力を伴った攻勢を続け、それを維持し、終盤にしっかり仕留めたロドリゲスの闘いぶりは、これぞ世界王者、というに相応しいグレードでした。
心技体、いずれも充実を感じました。115ポンド最強の実力を改めて証明した、と言えましょう。素晴らしかったです。
ところで、中谷潤人戦のオファーを断られたとかいう話題が出ているようです。
正直言って、現状、そんなカードは組みようがないものを、何を今更、というだけの話なんですが、話題というかPV稼ぎには良いんでしょうかね。
中谷とロドリゲスが闘うなら、フライ級とスーパーフライ級で入れ替わったタイミングしかなかったでしょう。アレは確かに「人事異動」の臭みあり、な話でしたが。
中谷はもうバンタムの体重は苦しいし、ロドリゲスはバンタムには小さい。そんなこと、彼らの試合を継続して、一定以上の興味を持って見ている人なら、誰だって知っていることなんですけど、ね。
そもそも、エディ・ハーンの言うことですから、というのもあります。何かにつけて適当ですものね。これまた誰でも知っていることですし...。
何しろ今、日本からロドリゲス戦に送り出したいのは、まず寺地拳四朗、続いて矢吹正道です。
バンタムに上げるなら、もちろん王者が実際にいるわけですが、中谷、西田が去るであろう今、残った話はなんか内向きな印象でもありますのでね。
まあ、来年以降の話ですから、その頃には色々と目鼻が付いていることでしょうが。
何しろこの辺のクラスで、こんな凄い選手がいるんですから、日本ボクシングが軽量級王国を自負するならば、日本から誰も挑んでいないのは「沽券に関わる」事態のはずです。
来年以降、そうした状況に終止符が打たれることを期待します。