「難攻」ではある/ラッセルならばこそ/次期挑戦者としては...

 

 


ベガスの興行、アンダーカードについても色々ありました。簡単に感想です。


セミは再戦。ティム・チューは、一生懸命頭の位置を変えて外し、打って行こうとしていましたが、間合い自体が桁外れの長身サウスポー、セバスチャン・フンドラの打てるポイントに合っていて、初回早々にダウンを喫する、苦しいスタート。
もっと遠くに立ったところで、フンドラの手が伸びてくるでしょうし、懐に入るにも、右肘が怖いしアッパーも来る。
フンドラは唯一の黒星、ブライアン・メンドサ戦でのKO負け以降、安易に上体を折って頭の位置を下げないように心がけていて、簡単に頭部へパワーをかけたパンチを打てる的ではなくなっています。
チューに限らず、今、誰にとっても難しい相手でしょう。

それでも奮戦していたチューですが、7回、これで駄目なら諦める、という決意で勝負をかけた?が、打ち勝てず。
この回終了か、8回開始か不明ですが、セコンドから棄権の意志表示があったようです。

セバスチャン・フンドラ、その実力には懐疑的な気持ちもありましたが、右リードを打つ際の肘の上げ方ひとつで相手を牽制するようになっているところなども含め、いよいよ「難攻」な王者になってきたのは確かです。
これが「不落」なのかどうかまでは、まだ断言出来ないなあ、と思いもしますが。


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ゲイリー・ラッセル・ジュニアはライト級での試合、ウーゴ・カスタニエダを10回、ボディブローでフィニッシュしました。
しかしそこに至る過程は、いかにもというか。さすが、というのとは少しニュアンスが違いますが、ラッセルならではだなあ、と。

2回、左から右の返しでダウンを奪い、追撃の連打厳しく、二度目も。
珍しく「詰め」たなあ、と思い、ここでさらに詰めて倒すか、と思ったら、何故か、ここで相手を見る。
これはさすがに驚きました。呆れるような気持ちでもありました。常人には理解出来ないというか。

ブランク明けの試合、長いラウンドで自信の調子を色々確認したかった、ということかもしれません。
上手い具合に相手にダメージを与えたことでもあるし、安全も確保出来ている、と。
それはそうかもしれませんが、しかし、ここで倒しに行かないという選択をするボクサーは、やっぱり滅多にいないだろうなあ、と思います。

4回、捨て身の猛攻を仕掛けるカスタニエダに、左のカウンターをビシビシ決めて迎撃。
6回、また左から右の返しを決めて、三度目のダウンを奪う。
そして最終回、「忘れた頃に」決めるボディブローでのフィニッシュ。一応、倒せたら倒す気はあったのでしょうか。

そのセンス、技巧と共に、ゲイリー・ラッセル・ジュニアの存在が、色々な意味で「並外れた」ものであることを、存分に見た試合、というところでした。いやはや。

 

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アラン・ピカソと亀田京之介の一戦は、ピカソが2-0判定勝ち。
契約体重はフェザー級のはずですが、画面ではスーパーバンタムと表示されていました。放送局が適当にやってたのでしょうか。
内容的には、似たような間合いでコンビネーションの交換が続く感じでした。
技量力量でピカソが上回っているのは確かでしたが、大きな差にならなかったのは、やはりベストウェイトの違いでしょうか。
フェザーやスーパーフェザーで闘ってきた亀田が、そのアドバンテージを持っていて、それなりに均衡の取れた試合にはなっていました。

しかし回が中盤以降に進むにつれ、フォームがぶれないピカソと、乱れが攻防共に見える亀田、そこで差がつき始めたように。
ピカソはスーパーバンタムでも迫力あるKOパンチャーではないし、闘い方を色々切り換えられるほど器用でもないので、判定になるだろう事は、想像通り。
ただ、ドローつけたジャッジがいるのか、という驚きはありましたが。

ピカソについては、元々見栄え良く強い選手ではないし、世界1位という言葉から想起する怖さもない。それは変わっていませんでした。
確かに今後、井上尚弥挑戦をするであろう?選手としては、不足ありあり、と見えます。
しかし、案外こういう選手が、世界タイトルマッチとなれば予想外の力を発揮して...ということも、過去に事例がないわけではありません。
でも、やっぱりこの選手ではなあ、と、誰もが思うのと同じ事を思いますね。なんともかとも。