時間潰しの手も尽きて 有明アリーナ観戦記(その2)





そんなことで有明アリーナ興行、第二試合は、割と間を開けず、すんなり始まる。
清水聡が600グラムオーバーをやらかしたフィリピン人を、2回終了TKOしました。

清水、相変わらずパンチは重い。相手のマウスピースが飛ぶ場面もあり。
しかし以前見られたような、相手の身体の回転軸、その方向を見て合わせる、という妙味は見えず。
そんなものを見せるまでもない相手だったかも知れませんが。

試合後、複数の意見が一致しましたが、こんな緩い相手とやっている余裕があるのか、いっそマクレイルオリンピアン対決やって、それをセミに持ってきたら良かったのに、という。
しかしこんなにブランクだらけで、コンディションも不安があるんだろうから、それも無理か、とも。
今後に明るい展望があるものかどうか、ちょっと見えない。無難に勝てばとりあえず良し、という試合だったのでしょうが。



続いて井上拓真登場。これも相手が600グラムオーバー。
拓真、いつもどおり当てるのも外すのも巧い。しかし鮮やかに倒すとはいかないのも、これまたいつも通り。
結果、8回TKOですが、出血によるもので、フィニッシュブローのないストップ。
しっかりダメージは与えていたが。

神はパンチ力以外の全てを彼に授けられたが...という選手、時々いますが、この手の選手の試合、強敵相手になら映えるが、格下相手に順当勝ちを求められる場合、あまり良い絵にならない。
それが今後、いよいよバンタム級で世界に挑む際、どう出るものか、というところですが。



セミセミ武居由樹登場。二階級上の元IBFランカー、ブルーノ・タリモ相手に、左のボディブローから当てて行くが、早々に頭突きを食らわされ、左瞼を切る。
直後、ワンツー決めて効かせ、後続のフォローで倒すあたり、やはり普通ではないが、再開後もう一度頭突き食らって、流れを止められる。
この辺、タリモはなかなか命根性が汚いところを見せる。さらに、サウスポーにスイッチし、身体で押し込んでくるので、武居はアーリーKOもあり得た試合を、フットワーカーと化して捌く試合に変える、という難しい修正を強いられる。

時折押し込まれ、揉み合いもあり、中盤疲れた感じも見えたが、7回か、武居のパンチでタリモがカット。
終盤に入り、のけぞり気味の姿勢からしか打てなかった武居がバランスを徐々に取り戻す。
飛び込みざまの右フックなども決まり、11回、タリモの出血によるTKOとなりました。

いずれこういう試練というか、厳しい経験もせねばならない時は必ず来るでしょうし、それが今回だった、と思えば良いのでしょう。
これを自分がメインの興行でやってしまうと色々大変ですが、まあ人の前座で済ませられるなら、それに越したことはない?とも言えましょうし。
しかし、終わってみて、やっぱり結構危ういマッチメイクだったなあ、という気がしました。
単に試合数からしてだいぶ違う上に、体格や体力においても、現時点の武居にとっては、厳しいハードルだったように見えました。



そういうことで、最初の2試合は早々に終わりましたが、長い試合もふたつ続き、しかしそれでもまだ、かなり早い時間帯。
平日でこれでは、K1のスター選手からボクシングに転じた武居の試合を、会場で見ようと思っても、それがかなわなかった方も多くおられたことでしょう。
そして、徐々に時間潰しのためのあれやこれやが...というに収まらない、なかなか妙な感じになっていきます。



リング上などに設置された場内の大型モニタには、ネットで配信されたメインのプレビュー番組や、前日計量の映像、及び井上尚弥リカバリーの食事を採る様子などが、試合の合間毎に、時間潰しのため流されました。大興行ではよくあることです。

しかし、最後はいよいよ映すものがなくなったか、実況解説席の映像が「音声無し」で映ったのには、ちょっと驚きました。意味わからん(笑)。
いつものPXB配信に出てくる実況アナと、長谷川穂積山中慎介のご両所が何かを話している、無音の映像。
それをしばし眺めつつ、何というか、シュールやなー...わしら、今、一体何を見せられてるんやろう...と。
さりとてこれで場内に音声が流れても、それはそれで辛いわけ、ですが。


何しろ、時間潰しの手も尽きて、というところでしょうが、この頃、会場にいる我々は知る由も無い、配信トラブルが起こっていたらしく。
それが試合開始のタイムテーブルにどう影響したか、しなかったかのかは不明ですけど、どたばたしてはったんでしょう。

セミ以降と、その辺についてはまた後日。
まあ何も、そないに引っ張るほどの話でも無いんですが(笑)。