色々と「お揃い」の戴冠 重岡兄弟、共にKO勝ちで王座に




ということで昨日はABEMAのライブ配信を見ておりました。
さすがに全部つきっきりでは見られず、また試合以外の部分については、見る気もなく。
アンダーに関しては後日見るとして(今回、7日間、無料でアーカイブが見られるらしいです)、ダブル世界戦は夕刻からだろう、と当たりを付けて見始めました。


IBFミニマム級暫定王座決定戦、元王者レネ・マーク・クアルトvs重岡兄弟の弟、銀次朗の一戦は、銀次朗が9回KO勝ち。
初回、まともに足踏まれたところに右を食ってダウンした銀次朗でしたが、ラフなクアルトに手こずりながら、2回にはもう、左ボディの効果で相手を怯ませ始める。

兄弟揃っての得意パンチ、左ボディブローを狙いすぎで、また、当然研究もしてきたであろうクアルトが、打ち終わりを強い右で狙っている。
序盤はその狙いに嵌まっていた銀次朗ですが、徐々に右のリードジャブが増え、打って離れて、の繰り返しで、ペースを掴む。
その上で左ボディが効き始め、6回にはダウン取り消しがあったものの、7回に一度、9回に二度、左ボディを決め手にダウンを奪い、TKO勝ちとなりました。

クアルトはラフでタフ、しっかり振り切る打ち方で、怖さもありましたが、銀次朗がそれに怯むレベルの選手ではなかったので、徐々に手詰まりになっていった、という試合。銀次朗の勝ちは順当なものに見えました。

課題は序盤の攻め急ぎか。前回色々あったことも含め、まだ若いボクサーが、意気込み過ぎるのも無理はないでしょうが。

ただ、前回もそうでしたが、ちょっと無理な立ち上がり、打たれる場面もあるにせよ、左ボディの手応えを得たら、そこから先はしっかり立て直し、右リードも出るし、上下左右の散らしもそれなりに、そして足捌きも良くなる。
前回はその矢先に、変な終わり方しましたが、今回はそうならず、銀次朗の良さが見られました。




兄の重岡優大は、WBC暫定王座決定戦で、元WBO王者ウィルフレド・メンデスに7回KO勝ち。
本来の王者パンヤが病欠のため、急遽来日となったメンデスですが、やはりというか、試合をこなせはしたものの、優大に脅威を与えるような場面は皆無。
優大が左クロスなどで攻めると、クリンチで追撃を断つが、自分の方はたまにお返しするだけ。

メンデスは元々、技巧でまさり勝ち筋を見つけるタイプですが、序盤は銀次朗同様、意気込みが空回り気味の優大を空振りさせるなど、それなりに良さもあったが、割と好意的?な途中採点(二者イーブン、一者優大の1-0)を受けた5回、優大の左、打ち下ろしの二発目を食らってダウン。

解説の谷口将隆も言っていましたが、相手の左に対し、左へ身体を傾けてダックするので、追いかけられる格好で打たれてしまう。
万全の調子なら、そこからさらに身体を捻って外すことも出来た、かどうかは何とも言えませんが...。

優大は左アッパーなどものぞかせつつ追撃、7回、外からの左ボディで倒し、KO勝ち。
こちらは銀次朗のそれと比べ、若干あっさり、という感じでした。やはり相手の状態が違った、というところでしょうか。



ということで、同日、同興行、同階級での戴冠、というのみならず、共に決め手は左ボディ、そして共に暫定という、要らんことまで含めて、色々とお揃い、兄弟仲良くタイトル獲得となりました。
内容的にも、序盤はちょっと入れ込みすぎ、でも徐々に立て直し、終わって見れば順当勝ち、という、通じる部分があったように思います。

違うところといえば、やはり銀次朗が一度なりとも世界タイトルマッチのリングを経験し、しかもそこで、あまり嬉しくは無いが、滅多にない経験をしたということで、より手強いというか厄介なというか、そういう相手をしっかり仕留めて、一段ステップアップしたと言えるのに対し、優大の方は相手の状態がいまいち...抜け殻、とまでは言いませんが、最低限試合の体裁を壊さない線、ぎりぎりの状態でしかなかった、というところでしょうか。
暫定どうという以前に、優大の方は、タイトルホルダーとしての真価を、次回以降問われることになりましょう。

昨日の試合ぶりを見るに、共にスピード、パワーあり、攻防のセンスも良いが、強者として相手を抑えにかかろうとするスタートの仕方が似ていて、決め手のパンチも左ボディだとはっきりしている。今後、映像でしっかり研究、対策されるでしょう。

相手が世界一流のグレードにある王者ならば、或いはもし往年の名王者クラスだったら。
或いはそこまで言わずとも、最近の、例えば前WBC王者ワンヘンのレベルにある選手が、対策万全の水漏れ無しで仕上げてきたら、共に苦しい展開があり得るでしょう。
ことに兄、優大の方はまだ、王者としては未知数な部分が残っています。
また、体格が秀でている反面、体重調整も心配ですね。



と、なんか悪いことばかり書いておいてナニですが、やっぱりこんな兄弟ボクサー、滅多にいるものではないです。
アグレッシブでパンチがあって、見ていてわかりやすい魅力があるところもそっくり。
最軽量級ならばこそ、こういう闘い方でないと、という「ニーズ」に応えるボクシングをしているところは、大いに称えたい部分でもありますね。

今後は共に、正規王者との対戦が「すんなり」いくかどうか、それがまずは不安ですが、何とか組まれるように願いたいものです。
何しろ今回は、ラフな相手だったり、或いはそもそも相手が来なかったり、難しい部分もトラブルもありましたが、肝心のリング上では、前回のような妙なことは起こりませんでしたので、安心して、兄弟揃っての戴冠を見ることが出来ましたね。