そういうことで先週半ばから、相次ぐ国内試合で色々と思い、考えるところがありました。
しかしどのような悲劇が起ころうと、ボクサーが自らの意志で闘いに臨む限り、ボクシングファンである自分は、それを見続けることしか出来ません。
とにかく土曜日のアンダー感想から、日曜日、六島ジムYouTubeチャンネルで配信された試合まで、順番に感想を書いていきます。
土曜、ダイナミックグローブのセミは中野幹士がフィリピンのジン・アグアンを2回TKO。
パンチの威力が圧倒的で、アグアン、最後は顔面を打たれたダメージに耐えきれず...セコンドも同時に棄権の意志表示をしたようですが。
ベガスでの豪快KOから、次の大きな試合?までに間を空けないために組まれた試合なのでしょうが、もうこういう、普通の試合はマッチメイクがほぼ不可能なのでは、と見えます。
OPBFチャンピオンでもありますが、タイトルマッチを組もうにも、挑戦者で受ける人(←話がひっくり返ってますが)、どこにもいないんじゃないでしょうか。
日本ライト級挑戦者決定戦、浦川大将と齋藤陽二は、齋藤が逆転の8回TKO勝ち。
序盤から浦川の右ストレートがクリーンヒットしていたが、齋藤が耐え抜き、最終回に一気の逆襲。衝撃的なダウンシーンで決着しました。
倒れたときに浦川がロープで頭を打ち、身体がキャンバスに落ちて、その衝撃で頭がかなり揺れたように見えて、担架で退場する姿を見て心配でしたが、こちらもメインの神足茂利同様、開頭手術に至ったと、JBCの方から発表ありました。
一日にふたりが、というのは、おそらく過去に事例がないのでは、と思います。とにかく、無事回復されるように、と願うばかりです。
帝拳の長身サウスポー、久保寺啓太は、中国のヤン・スンウーを2回TKO。
B級デビューはよくあることですが、相手が中国人となると、簡単に行かないのではと心配にもなりましたが、余計なことでした。
久保寺、和製セバスチャン・フンドラの趣で、並外れた長身に驚き。マッチメイクが難しそうですが、今後注目です。
さて日曜日、住吉ではライトフライ級、日本とOPBFのダブル王座決定戦が行われ、地元の井上彪(いのうえ たける)を、元WBCミニマム級王者の谷口将隆が5回TKO。
初回に左でぐらつかせ、果敢に右で打ちかかる井上を相手に、身体を翻しつつ打ち返して、確実にリード。
と思っていたら、4回終了時の途中採点で、二人がドローとつけている。
これで谷口、中盤以降、クリアに差をつけにかかるだろう、と思ったところ、5回早々から攻め、強烈な左がカウンターで決まって、井上ダウン。
レフェリーが止めるより先に、セコンドがリングに飛び込んできて、TKOとなりました。
井上も捲土重来を期して、高い集中を見せていましたが、谷口が確実に、攻防共に一歩先を行くという展開でした。
フィニッシュも強烈で、住吉のリングで、かつて世界を制した実力を見せつけた形です。お見事でした。
試合後は控えめに、タノンサックへの雪辱を望むとコメントしていましたが、あの試合とて僅差でしたし、挑戦資格、という言い方をするなら、充分なものを谷口は持っていると思います。
それにしても、寺地拳四朗が去ったライトフライ級ですが、一気に動き出した感ありです。
WBAには高見享介という昇竜が現れ、WBCではカルロス・カニサレスがパンヤ・プラダブスリに雪辱し、遂に正規の王座を手にしました(おめでとう!)
そしてIBFのタノンサック、WBOのレネ・サンティアゴと、王者は全員、日本のリングに縁がある選手ばかり。
出来れば彼らの対決や、谷口のような実力派が絡んだカードが見たいものですね。
アンダーカードの六島ジム勢は、揃って勝利。
サウスポーのハン・リャンホはタフなクアン・チュンリンに判定でしたが、山﨑海斗、中山慧大はKO勝ち。
山﨑の相手はシュガーレイ・レナード・ポース、という、ドえらい名前の選手でしたが、2回TKO。最後は詰めのコンビで仕留めました。
フィリピンのシュガー・レイ、パンチが切れて闘志も見えましたが、明らかに体格で劣りました。
もし再来日があるなら、相手と階級が揃った試合で見たいなあ、と思った次第。
と、今日はABEMAで、3週間くらい前に決まったばかりの志成ジム興行が、ABEMAで配信されていました。
こちらの感想は...後日、また簡単に触れる程度であっても書きますが、何だか妙な感じでしたね。
どういう需要があって、こういうメインカードになったのかなあ、と...。