リング下から「生還」するも...小原佳太、ロシアに散る
エデュアルド・トロヤノフスキーvs小原佳太、5時頃から開始ということで、
運良くネットで生中継を見ることが出来ました。
結果、早朝から、ちょっと見られないような、衝撃のKOシーンを見ることになりました。
BSフジで後日放送ありますが、簡単に経過と感想。
国歌吹奏は両国国歌ともに歌入り。日本ではあまりないような。
小原佳太は落ち着いて見える。トロヤノフスキーは割と物静かな印象。
初回、対峙した両者、上体の厚みはやや小原。体格はぱっと見て、思っていたより差が無い。
ただ、リーチがかなりあり、ジャブの長さがだいぶ違う。小原少し入れない時間帯。
小原は右ボディから左アッパーを上下に返す。少し打ち合い、トロヤノフスキーが手数でまさる。
軽いがヒットされる。しかし小原、右一発ヒット、好打。右相打ち、小原パワーを見せる。
調子よく手を出していたトロヤノフスキー少し下がる。
ヒットの数でトロヤノフスキーのポイントか。しかし小原も当てていけば流れを掴めそう。
2回、小原手応えあって落ち着いたか、右から左の返しをボディへ。
しかしトロヤノフスキー、ジャブの距離を取り直す。遠い距離から右クロス、小原のこめかみにヒット。
小原効いて、ロープへ下がる。肘を上げた右フックがアゴに来てぐらつき、ロープからロープへ追われ、
アッパー気味の右でリング下へ叩き出されてしまう。
これは終わった、と思ったが、カウント20以内で青コーナーの階段からリング内へ戻る。
まさしく「生還」の図。
しかし再開後、こめかみとアゴを打ち分ける「上下の連打」でぐらつき、ストップ。
ダメージは甚大、妥当なストップでした。
ただただ残念としか言いようがありません。
2回に食った右クロスは、多分これまでの対戦相手が出した、どのパンチよりも遠くから来て、
最も威力のあるものだったのでしょう。
ひとたび効かされてしまったあとの、こめかみとアゴを違う打ち方で狙ってくる追撃もまた、
過去の誰よりも厳しく、鋭いものだったと思います。
小原の身体がリングから落下したこと、そしてそこから再びリングに戻ってきたこと。
二重の驚きの前後に見られたトロヤノフスキーの「詰め」の見事さ。
滅多に見られることのない、強烈な印象を残すTKOでした。
これで勝者と敗者が逆だったら、歓喜の瞬間だったのですが、残念ながらそうはなりませんでした。
小原がまったく力及ばず、という風には見えませんでした。
初回後半、力強い右のヒットで、調子よく手を出していた王者の手が止まったあと、
2回早々まで、小原は徐々に、手応えを感じていたようにも見えました。
しかし、より多く手を出し、好打もあり、威力のある一打から一気に倒しきれる王者が
先に好機を掴み、そのまま勝敗を決めてしまった。
小原にもう少し、力を発揮する局面があってほしかったとは思いますが、これが勝負というものでしょう。
国内で日本、東洋を制し、米国のリングに進出して掴んだタイトル挑戦権をもって、
堂々と世界に挑んだ。その内容と結果は、あまりに衝撃的なものでしたが、
小原佳太でなければ、この挑戦に辿り着くことも、闘いうることもなかったわけです。
結果は残念でしたが、これだけ衝撃的な試合を見せてくれたことに、感謝さえしたい気持ちです。
動画がもう見られるようですので、紹介しておきます。